




2010年もいよいよあと少し。かなり温暖だったこの冬も、流石に少し寒くなってきた今日この頃ですね。最近はTwitterも始めたばかりですが、ブログもがんばって月イチペースで更新したいと思います。○○○についても色々と準備を進めておりますが、うまくいけば来年中に第一報を公開したいなあと、そんな心構えで進めております。ああ、何にしても次を創りたい!いや本当に!!
さて、ここでもう一つご報告があります。
以前から何となく告知していた通り、平成22年度の国際交流基金日本文化紹介派遣事業として、11月の末から12月の頭にかけて中国各地の大学でアニメ関連の講演をしてまいりました。いつもお世話になっているアニメ評論家、氷川竜介さん(http://hikawa.cocolog-nifty.com/)にご同行させて頂く形となったんですが、いや非常に有意義だったんですよ。…というか、最初にまず氷川さんの登壇が決まっており、氷川さんが僕を選出して下さったようなのです。感謝!
なお、本来は「上海→重慶→広州→香港」を10日ほどかけてまわる日程だったのですが、僕はスケジュールの都合により前半の二都市だけ参加。ビデオレターを残し、後半二都市は氷川さんのみの講演となりました。ああ、僕も全部行きたかった!
<旅行編:上海>
現地に着いたらまず簡単な観光をしたのですが、上海はとにかく高層ビルの群れでした。地震が少ないためか耐震基準が日本ほど厳しくないらしく、とにかく日本ではなかなか見られない高さのビルがニョキニョキと。特に展望台まで登ってみた「上海環球金融中心(492M)」からの眺めは、なんか…絵でしか見られないような広角パースの風景でビビりました。氷川さんと一緒に「なんかパースおかしいですよねw」と喋くりあったなあ(写真上段左)。
まだ建設中のビルも至る所にあり、未来都市のように発展してゆく風景を堪能できました。写真もタップリ撮れてヨカッタ。新しいビルの隙間に並ぶ、画一的な形の団地の群れもSF好きにはタマランものがありましたよ。一つの都市で、ユートピアSFっぽい風景とディストピアSFっぽい風景が得られたのが最高!(私のもの凄い主観)
なお、中国の料理は大体4系統に分かれるらしいのですが、上海料理は味付けが甘めでしたね。味も割とノーマルというか、日本人的にも馴染みのあるものでした。まぁこの時、次に向かう重慶の四川料理の辛さをタップリ脅されたわけです…。
<旅行編:重慶>
飛行場からホテルまでの道のりですぐ分ったのですが、コチラはとにかく建設ラッシュ!どこにカメラを向けても、ビルの建設工事が画面に映り込みます。とにかくどこもかしこも絶賛発展中。古い団地などの建物が急速に壊され、新しいビルに建て替わっていくという、劇場版パトレイバー1を地で行くような風景が展開されておりました(写真上段右)。また天候が非常に曇りがち(特に冬)らしく、景色もどこか霧がかっていましたね。「道路→瓦礫→古い団地→新しいビル」の4レイヤーで、後ろに行くごとに霧でかすむ…。なんてアニメ的な背景なんだっ!
なお、重慶では現地の日本国駐総領事とお食事をさせて頂き、重慶や中国の今後、または日本産コンテンツの展開についてなど、色々と興味深いお話をさせて頂きました。イヴも見て頂けたらしく、中国と絡めた面白いご感想を頂けたのはビックリ(!)。
そして重慶では四川料理の洗礼を浴びました。そう、火鍋です(写真中段左)。劇辛スープで肉やら野菜をシャブシャブするようなものなんですが、まず辛さがヤバい。辛さのベクトルが違うんですよ。唐辛子的なものではなく、山椒の辛さ。途中から舌が痺れて顔面が麻痺してくる感じ。だんだんハイになってパクパク食べ過ぎ、翌日大変な目に逢いました。それでもまだ、連れて行ってもらった店はマイルドな味だったらしいのですが…。
<講演編:概要>
と、前振りが長くなりましたが、両都市における講演の様子について書こうと思います(写真残りの二枚)。
上海では「上海財経大学」にて講演。日本語学科関連の生徒を中心に、アニメに興味のある方も多数来ていた模様でした。また重慶では、「重慶大学」にて講演。こちらはアニメ専攻、日本語専攻、芸術専攻の学生が主な観客層のようでした。中国では国策としてアニメ産業を推し進めており、大きな総合大学には必ずと言っていいほどアニメ専攻があるそうです。
講演内容はだいたい以下の通りです。
氷川さんがまず日本アニメの概要と現状について説明し、その一例(?)である『イヴの時間(配信版第一話)』を紹介&上映。続けて、僕がイヴのメイキングを画像等を交えて説明しつつ、中でも特に「実在する場所をロケハンして作品世界をくみ上げていく(2D&3D背景共に)」手法を重点的に説明。それを受けて、氷川さんがさらに「ドラマ重視系の日本アニメが目指す、ある種のアリズム」について言及し、日本アニメの特異点を掘り下げていくような内容です。
<講演編:反応>
両都市ともアニメの好きな学生が多かったからか、非常に熱心に聴いている印象、という感じでしたね。壇上から人の顔がかなり見えるんですが、一心不乱にメモをとる人や、とにかくビデオを回し続ける人など、色々でした。特に画像や映像を交えて解説する際は、かなり食い入るように画面を見つめてくれていて、本当に用意した甲斐があったというものです。メイキングは…
・キャラデザインや色彩設計画像等のプリプロ素材紹介
・コンテから3Dレイアウト、カット完成までの一連の手法の紹介
・ロケハン写真→美術(2D&3D)手法の紹介
だったのですが、特に美術の元となる写真がある件には大きな声が上がっていました。そういえば最近のアニメのトレンドな気もしますね、ロケハン写真からレイアウト設計をする手法。これ、やり方によっては一長一短だとは思いますが、まずロケハンをすること自体については大いに賛成です。
質問時間でも非常に小気味よく手が挙がったのですが、両都市に共通して「中国アニメの現状についてご意見下さい」といった系統の質問が多かったですね。やはり自国コンテンツの将来や問題点については、大いに関心がある様子でした。この点については僕が反省点も多く、もっと下調べをしておけばよかったです…。なお、個人的に中国アニメとしてすぐに思いついたのが、『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー スーシン』(http://www.ariarishop.com/shopdetail/010012000254/)でした。厳密に言えば日中合作ですが、これはいわゆる「アニメ好き」のアンテナに引っかかる作品でありました。なお、実写版のリメイクでは無く完全新作です。
自分の知っている範疇では、どちらかと言うと動画仕上げと言った下請け産業の知識がメインだったのですが、イヴ4話については「原画~仕上げ」までほぼ中国であることを説明しました(作画監督とデジタル動検のみ日本)。
<講演編:問題点>
今までそれなりに人前で喋ってきた身ではありますが、今回一番大変だったのが「通訳を挟んでの講演」というやり方です。
まず僕たちがセンテンスを区切って日本語で喋り、それを通訳の方が翻訳して観客に伝えるという手順を踏みます。レスポンスがある程度悪くなるのは避けられないとしても、喋っている内容の専門性がどこまで伝わるのかについて、なかなか課題が残った印象でした。特に今回は、一都市ごとにそれぞれ現地の通訳の方にお願いするというやり方だったので、前の講演でうまくいっていた呼吸が、次の講演でリセットされて上手くいかなくなるといった事態が起き、講演ごとに喋る内容や、場合によっては喋り方自体を臨機応変に変える必要がありました(できるだけ単純な文法で喋る等)。
もちろん、事前にレジュメを作成して通訳の方にお渡ししているのですが、必ずしもそこに書かれている単語しか喋らないわけでは無いですし、何よりもこういった職種柄、意識しなくてもつい専門性の高い用語が口から出てしまう傾向があるわけで…。
例えば僕と氷川さんであれば、講演を複数回積み立てて行くことによって次第に喋り方の呼吸が出来てきますし、前回の反省点を次の講演に生かすこともできます(上海→重慶でもそれは行いましたし)。同じことが通訳の方にも言えると思うので、こういったケースの場合は、出来れば通訳の方もお一人に絞り、全過程に同行して下さったほうがスムーズに行くかもしれないですね。
<まとめ>
というわけで、単に講演するだけに留まらず、各地の風土に触れたり生徒さんと触れ合ったり他国同ジャンルの実態を知ったり人材と交流したりと…非常に有意義な経験をすることが出来ました。誇張でなく、自分の○○○にもフィードバックできるような経験やら写真やらも沢山得られましたし…。ふふふ。
またこういう機会があれば、積極的に参加してゆきたいと思った次第です!
以下、当講演が中国で記事になったものの抜粋です。中国語ですが、お時間あればドーゾ。
↓
(1)上海財経済大学での講演全録してあります。驚いたことに全部文字起こししています。
http://www.hexieshe.com/Jimmy/629835.html
(2)上海での講演終了後、インタビューを受けた男性のブログ(ゆっくりの絵柄のパーカーを着てたなあ)。サインや記念撮影を快くOKしていた様子をみてとても友好的な人だとコメントあり。感謝!
http://www.acgpiping.net/
(3)上海の講演会のお知らせ。アニメ好きなネットユーザーによるもの。
http://www.sosg.net/read.php?tid=448078
(4)広州日報。右側にさらりと書いてあります。僕のビデオメッセージを紹介しています。
http://gzdaily.dayoo.com/html/2010-12/05/content_1205638.htm
PS:
そういえば「大丈夫た、問題ない。」とプリントされた服を着ていた人がいたなあ。どこで買うんだろう。